
近年、注目を集めている住宅設備「HEMS(ヘムス)」 。
家庭内のエネルギー量を見える化できるHEMSは、住まいの省エネ性や快適性を高めることができますが、詳しい仕組みや費用感が分からないという方も多いはずです。
そこで今回は、HEMSの導入費用、利用できる補助金制度をご紹介します。
検討中の方はぜひ参考にしてみてください。
HEMS の基礎知識

HEMSとは、家のエネルギーを見える化して、かしこく管理できるシステムのこと。
例えば、スマホのアプリでエアコンや照明の電気使用量をチェックできたり、外出先からエアコンをつけたり消したりできるようになります。
HEMS の仕組み
1. スマートメーターが電気を測る
家の中でどれだけ電気を使っているか、発電しているかを測定します。
2. そのデータをHEMSに送る
測ったデータは、HEMS(エネルギー管理システム)に送られます。
3. HEMSがそのデータで電気の状況を確認・記録する
家の電気がどう使われているかを分かりやすく見えるようにしてくれます。
※スマートメーター:家の中の電力消費や発電量をリアルタイムでデジタル測定する最新の電力量計。データは自動でHEMSコントローラーに送られ、特に操作は不要で、家電との連携もスムーズに行われます。
詳細は「HEMSとは | 光熱費を抑える仕組みと導入メリットを解説」をご覧ください。
導入費用の目安は10万〜35万円、その内訳は?
HEMSの導入にかかるトータル費用の相場は、10万円から35万円程度が一般的。
主な費用項目は、HEMS本体、スマート分電盤、そして設置工事費の3つに分けられます。
設置工事型の場合
| HEMS本体(エネルギーマネジメント機器) | 5万〜15万円 | メーカーによって機能や価格に差が出る |
| スマート分電盤(電力測定用) | 5万〜10万円 | 既存の分電盤を丸ごと交換する場合は費用がかさむ |
| 工事費(配線工事・設置作業) | 5万〜10万円 | 配線作業の難易度によって、工賃が高くなる |
専門の業者による設置工事費については、新築時は配線が容易なため安く済みますが、リフォームでの後付けは少し注意が必要です。
壁の中を通す配線作業の難易度によって、工賃が高くなる傾向にあります。

お住まいの環境によって総額が変動することを、あらかじめ念頭に置いておいてください。
設置不要型の場合
| HEMS本体(エネルギーマネジメント機器) | 4.5万円~ | メーカーによって機能や価格に差が出る |
| スマート分電盤(電力測定用) | 0円 | |
| 工事費(配線工事・設置作業) | 0円(設置のみ) | 設置はコンセントに挿すだけ |
既存の住宅でも手軽に導入できるのが「工事不要型」。
スマートメーターに直接通信する小型のドングル(接続端子)を設置するタイプで、「設置工事型」と比較し、費用は十分に抑えられます。
HEMSを導入すると光熱費はどれくらい下がる?
HEMSを導入すると、電気の無駄遣いを減らし、電気代を大幅に削減 できます。
HEMSを活用した場合の年間節約額(試算)
| 節約ポイント | 年間節約額 |
|---|---|
| エアコンの最適運転 | 15,000〜30,000円 |
| 待機電力の削減 | 5,000〜10,000円 |
| 電力ピークカット(基本料金削減) | 10,000〜20,000円 |
| 合計 | 30,000〜60,000円 |
5年で15万〜30万円の光熱費削減が期待できるので、導入費用が30万円でも、5年以内に元が取れる計算になります。

補助金を活用すればさらに早期の導入費用の回収ができそうですね。
【2026年度】HEMS導入で使える主な補助金リスト
※現在の情報は確定事項ではないため、最新の申請条件や必要書類については、国土交通省の公式HPを随時チェックをお願いいたします。
みらいエコ住宅2026事業(新築/リフォーム)
2026年の住宅省エネキャンペーンにおいて、柱となるのが「みらいエコ住宅2026事業」です。
この事業では、高い省エネ性能を持つ住宅の新築やリフォームに対し、手厚い補助が受けられます。
具体的な状況に応じた使い方は以下の通りです。
新築住宅の場合
新築で「GX志向型住宅」として申請する場合、HEMSの導入は必須要件です。
「高度エネルギーマネジメント」として、太陽光発電の発電量などを把握し、冷暖房や給湯設備を制御できるHEMSを設置する必要があります。
■補助額
HEMSを含む要件を満たすことで、1戸あたり110万円(寒冷地は125万円)の補助が受けられる
■対象機器
「ECHONET Lite AIF仕様」に対応し、エコーネットコンソーシアムのリストに掲載されている製品
新築住宅の場合は、HEMSの設置で1戸あたり最大125万円の補助金が交付されます。その他のZEH水準住宅でも35万円以上の補助が出るため、子育て世帯や若者夫婦には見逃せません。
ただし、一部の注文住宅などは2026年9月末に申請が締め切られるなど、期限が早まる可能性があります。
予算には上限があり、例年早い段階で満額に達するため、早めの検討を強く推奨します。

まずは自身が建てる家がどの区分に該当するか、住宅メーカーに確認することから始めましょう。
リフォームの場合
「みらいエコ住宅2026」のリフォームメニューには、HEMSそのものを対象とした補助項目はありません。
■対象となる設備
リフォームで補助対象となる「エコ住宅設備」は、太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽、高効率給湯器、節湯水栓、蓄電池、エアコン、換気設備に限られています。
※注意点※
HEMSを導入しても、この事業のリフォーム枠では直接的な補助額は加算されません。
もしリフォーム等で「HEMS単体」の費用を補助してほしい場合は、次の「DER(分散型エネルギーリソース)補助金」を検討するのが有効です。
DER(分散型エネルギーリソース)補助金
HEMS単体、または蓄電池とのセット導入で検討したいのが、DER補助金です。
これは再生可能エネルギーの有効活用を目的とした制度で、実証事業として毎年実施されています。
交付される補助額
- 定額5万円(新規に導入する蓄電池に併設する場合は、購入価格と工事費の合計が25万円以下であること)
- 定額10万円(HEMSで既存の家庭用DERををIoT化させる場合)
先述した「みらいエコ住宅」に比べると少額ですが、機器単体の導入費用に対しての還元率は非常に高いです。また、蓄電池やV2Hシステムと同時に導入することで、さらに高額な補助を上乗せすることも可能です。
注意点は、実施期間が非常に短く、かつ募集が数回に分かれていること。

例年、募集開始から数日で予算がなくなるほど人気が高いので、事前の情報収集は必須です!
最新の募集要領はこまめにチェックし、予約のタイミングを逃さないように準備を整えておきましょう。
地方自治体独自の補助金(東京都・愛知県などの事例)
国の補助金だけでなく、お住まいの地域が独自に実施している制度も必ず確認してください。
自治体によっては、国と併用できる「実質的な上乗せ」が可能な場合があるからです。
東京都内では、区市町村ごとに独自のHEMS関連補助金制度を設けているケースがあります。例えば江東区では「江東区地球温暖化防止設備導入助成事業」として、HEMS・MEMSなどのエネルギー管理システム機器の設置に対し、設置費用の5%(上限1設備あたり20,000円)の補助金を交付しています。
参照:江東区『令和7年度【個人住宅用】江東区地球温暖化防止設備導入助成事業』
これらを組み合わせることで、HEMSの導入自己負担を「ほぼゼロ」に近づけることも夢ではありません。
ただし、自治体の予算は年度ごとに決まっており、早い者勝ちの側面が強いです。
まずは「(市区町村名) HEMS 補助金」で検索し、最新のパンフレットを取り寄せてみましょう。

地元の工務店やリフォーム業者はこうした情報に詳しいため、相談してみるのが最も確実な近道です。
まとめ | 補助金を賢く活用して、家計に優しい住まいを実現しよう
今回は、2026年2月時点のHEMS導入費用と補助金活用術について解説しました。
内容を振り返ると、以下の3点が特に重要なポイントです。
- HEMSの初期費用相場は10万〜35万円。工事内容や既築・新築の差で大きく変動する
- 2026年度は「みらいエコ住宅2026事業」で、最大125万円の補助が狙える絶好のチャンスである
- 「HEMS単体」の費用を補助してほしい場合は、「DER補助金」で検討可能
電気代が高止まりする今の時代、HEMSは贅沢品ではなく「家計の最強化策」です。
初期費用を補助金で賢く抑え、10年後の大きな節電効果に繋げていきましょう。

まずは地域の補助金情報を検索、そして最寄りのハウスメーカーや工務店に「HEMSを導入した場合の概算」を依頼してみてください。


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