

思ったより高い‥!これ、全部入れたら予算オーバーじゃない?
新築注文住宅の打ち合わせ中、そんな声を漏らした経験はありませんか?
家づくりは、夢がふくらむ一方で、現実とのギャップに悩まされることもあります。
こだわりを大切にしたい。でも、無理してローンを組むのも不安。
――そんな葛藤を抱えるのは、あなただけではありません。
実際、予算オーバーでプランを見直す方はとても多く、「どこを削ればいいか分からない」「削ったあとで後悔しないか不安」という声もよく聞きます。
この記事では、住宅業界で実際に多くの相談を受けてきた経験から、
・予算オーバーが起こる原因
・予算オーバーを防ぐために削るべきポイント
・ここだけは削らない方がいい部分
をわかりやすくご紹介します。
最後まで読めば、きっとあなたの家づくりにとって「必要な判断軸」が見つかるはずです。

予算内で、納得できる家を建てるための第一歩を一緒に踏み出しましょう。
- 1. 新築注文住宅で予算オーバーが起こる原因とは?
- 1.1. ①予算設定が不十分で現実的な費用を見積もれていなかった
- 1.2. ②土地購入や地盤改良に予想以上の費用がかかった
- 1.3. ③こだわりを詰め込みすぎた
- 1.4. ④工務店に要望を正しく伝えられていなかった
- 1.5. ⑤外構(庭や駐車場)の予算を後回しにした
- 2. 予算オーバーを防ぐために削るべきポイントとは?
- 2.1. ①土地の価格・条件を見直す(郊外や変形地も検討)
- 2.2. ②延べ床面積を減らして建築費を抑える
- 2.3. ③シンプルな構造(総2階・角を減らす)にする
- 2.4. ④間取りや空間の無駄を見直す
- 2.5. ⑤窓の数を減らす
- 2.6. ⑥ハウスメーカーの標準仕様を活用する
- 2.7. ⑦トイレや洗面などは最低限の数にする
- 2.8. ⑧後付け可能な設備・造作は後回しにする
- 2.9. ⑨外構は専門業者の相見積もりで最安を探す
- 2.10. ⑩DIYや施主支給を活用する
- 3. 新築予算オーバーでも削らないほうがいいところ
- 3.1. ①断熱・気密性能は妥協しない
- 3.2. ②構造躯体や耐震性能は削らない
- 3.3. ③メンテナンス性の高い素材を選ぶ
- 4. まとめ|削るべきポイントを見極めて理想の家を手に入れよう
新築注文住宅で予算オーバーが起こる原因とは?

注文住宅を建てるとき、多くの方が悩むのが「思った以上にお金がかかってしまう」という問題。
せっかくの夢のマイホームでも、予算がオーバーすれば後の生活に不安が残ります。
ここでは、よくある5つの予算オーバーの原因を紹介しながら、なぜそうなるのか、どうすれば防げるのかを一緒に考えていきましょう。
①予算設定が不十分で現実的な費用を見積もれていなかった

この金額なら建てられると思ってたのに…
そう感じた方は、初期の予算設定が甘かった可能性があります。
注文住宅は建物本体の価格だけではなく、外構、地盤改良、登記、ローン手数料などさまざまな見えない費用がかかります。
これらをあらかじめ予算に含めていないと、後から追加費用が発生し、簡単にオーバーしてしまいます。

「工事費だけで大丈夫だろう」と考えていた結果、引っ越し費用や外構工事が完全に抜け落ちていて、最終的に100万円以上の予算追加が必要になりました。
このような事態を防ぐには、「本体工事費+付帯工事費+諸費用+予備費」の4つをセットで考えることが重要です。

予備費は5〜10%程度を設けておくと、万が一の出費にも対応しやすくなります。
現実的な予算をきちんと把握し、想定外を想定しておくことが、成功の第一歩です。
②土地購入や地盤改良に予想以上の費用がかかった

土地が見つかってホッとしたのに、まさか地盤改良で100万円かかるとは‥
そんな後悔の声もよく聞きます。
土地選びは家づくりの最初のステップですが、実は予算超過を招きやすい落とし穴。
購入費以外に、仲介手数料・登記費・水道引き込みなどの付帯費用がかかり、さらに地盤が弱ければ「地盤改良工事」という予想外の支出が発生します。
例えば、あるご家庭は平坦で駅近の好立地な土地を即決しましたが、地盤調査の結果、柱状改良が必要となり、追加で120万円が必要に。

予定していた設備グレードを落とさざるを得なくなりました。
こうした事態を防ぐためには、
・土地を購入する前に地盤調査報告があるか
・近隣住宅は改良工事をしているか
などを事前に調べておくことが大切です。
土地にかかる費用は本体価格だけではありません。
トータルで見る目を持つことが予算管理の鍵です。
③こだわりを詰め込みすぎた

せっかくの注文住宅なんだから、理想はできるだけ叶えたい!
そんな思いが強すぎると、知らないうちに予算がオーバーしてしまいます。
注文住宅の魅力は自由設計にありますが、同時に「何でも選べる」というのは予算管理を難しくする要因でもあります。
無垢材の床、ハイグレードのキッチン、外壁はタイル仕上げ‥など、ひとつひとつは魅力的でも、積み重なるとあっという間に何十万円もオーバーすることがあります。

「全室無垢フローリング+造作洗面台+外構タイル張り」を選んだら、当初の見積もりに+250万円されちゃった‥
おすすめは、初めから「こだわる部分」と「妥協できる部分」を明確にしておくこと。
たとえば「リビングは妥協しないが、2階のトイレは標準仕様でOK」といった判断ができると、必要なコスト配分がしやすくなります。
こだわりすぎず、暮らしの優先順位を決めることが、予算オーバーを防ぐカギです。
④工務店に要望を正しく伝えられていなかった

伝えたつもりだったのに、違う仕様で見積もられていた
このようなすれ違いは、予算超過の大きな原因になります。
家づくりでは、施主と工務店の間にある「認識のずれ」が見積もりに大きく影響します。

たとえば「シンプルなキッチンで」と依頼しても、人によって「シンプル」の定義は異なりますよね。
その結果、高機能なモデルが標準だと勘違いされ、見積もりが上振れすることも。
実際に、外観デザインのこだわりが正しく伝わらず、外壁を全面タイル張りにされ、予算を70万円以上オーバーしてしまったというケースも。
こうしたトラブルを防ぐには
・「写真」「カタログ」「具体的な製品名」などを使って要望を共有
・「これは絶対に実現したい」「ここは予算優先」と優先順位をつける
このように対策することが認識のずれを防ぐポイントになります。

言葉だけで伝えるのは避けたほうが良さそうですね。
意思の共有がしっかりできてこそ、納得のいく家づくりと予算管理が両立します。
⑤外構(庭や駐車場)の予算を後回しにした

家のことで頭がいっぱいで、外構のことをすっかり忘れていた
これは決して珍しいことではありません。
多くの方が「まずは建物を」と考えるため、外構のことは後回しにされがち。
ですが、駐車場の舗装、門柱、フェンス、庭の整備などには意外と費用がかかります。
後から追加すると、予算の見直しが必要になり、思わぬ出費につながることも。

建物で予算をすべて使い切ってしまい、外構に割けるお金がなくなり、駐車場が未舗装のまま入居を迎えることに… 半年後にローンとは別に外構費を現金で支払うことになり、家計を大きく圧迫しました。
理想は、建物と外構をセットで計画すること。
初期の段階で「外構に〇万円」と目安を決め、余裕があればグレードアップ、厳しければシンプルにするなど調整できるようにしておくと安心です。
外構も家づくりの大切な一部。
予算計画の初めから組み込んでおくことが失敗を防ぐポイントです。
予算オーバーを防ぐために削るべきポイントとは?

注文住宅で予算オーバーを避けるには、すべてを削るのではなく、「削っても後悔しにくいポイント」を見極めることが大切です。
ここでは、無理なくコストダウンできる具体的な10の工夫を紹介します。
無理なくコストダウンできる具体的な10の工夫
①土地の価格・条件を見直す(郊外や変形地も検討)
②延べ床面積を減らして建築費を抑える
③シンプルな構造(総2階・角を減らす)にする
④間取りや空間の無駄を見直す
⑤窓の数を減らす
⑥ハウスメーカーの標準仕様を活用する
⑦トイレや洗面などは最低限の数にする
⑧後付け可能な設備・造作は後回しにする
⑨外構は専門業者の相見積もりで最安を探す
⑩DIYや施主支給を活用する
削減の優先順位をつけることで、理想の暮らしを守りながら、賢く予算を抑えることができます。
以下に、予算削減の具体的なポイントをご紹介します。
①土地の価格・条件を見直す(郊外や変形地も検討)
土地選びでは「駅近」や「形状」にこだわると、価格が高くなりがちです。
少し郊外に目を向けたり、変形地などの選択肢も検討することで、大幅なコスト削減が可能です。
立地や形状を柔軟に見直すことが予算調整の鍵になります。
②延べ床面積を減らして建築費を抑える
注文住宅の建築費は、「延床面積×坪単価」で概算するのが一般的です。
そのため、延床面積を見直すことで、建物本体にかかる費用を抑えることができます。
ただし、無理に面積を減らしすぎると、暮らしにくさや窮屈さを感じる原因に。

快適な住まいを実現するには、家族の人数に合った適切な広さを確保することが大切です。
世帯人数に合わせた必要な床面積の目安を、国土交通省の下記データを参考に確認しましょう。
【国土交通省による誘導居住面積水準】
1人 | 2人 | 3人 | 4人 | |
一般型 | 55㎡ | 75㎡ | 100㎡ | 125㎡ |
都市型 | 40㎡ | 55㎡ | 75㎡ | 95㎡ |
③シンプルな構造(総2階・角を減らす)にする
複雑な形の家は、施工の手間が増え、費用も高くなります。
総2階や長方形など、構造がシンプルな家は資材や工事が効率化でき、コスト削減に効果的です。
外観だけでなく、耐震性や断熱性にも良い影響を与える設計です。
④間取りや空間の無駄を見直す
廊下や納戸など、あまり使われないスペースが多いと、その分だけ建築コストがかさみます。
部屋数やクローゼットが増えれば、それだけ空間を仕切るための壁や建材も必要になるため、費用が増える原因に。
例えばこのような工夫ができます
・子ども部屋は、最初から2部屋に分けるのではなく、将来的に仕切れるような設計にしておく
・収納は、造り付けのクローゼットではなく、オープン型の棚を活用する
空間を細かく区切らず、広く使える間取りにすることで、明るく開放的な住まいに仕上がるというメリットもあります。
⑤窓の数を減らす
窓の数を減らすことで、設置にかかるコストをそのまま削減できます。
コストダウン以外にも、窓の数を減らして得られるメリットはたくさん。
窓の数を減らすメリット
・断熱性の向上による光熱費の節約
・外からの視線を遮ることでプライバシーを守りやすくなる
・侵入経路が減ることで防犯性が高まる
ただし、窓が少なすぎると、採光や通風が不十分になってしまうケースもあります。
そのため、明るさや風通しが必要な場所には適切な窓を設けつつ、それ以外のスペースでは数を絞るなど、ケースバイケースでバランスよく設計するのがおすすめです。
⑥ハウスメーカーの標準仕様を活用する
設備のグレードアップを重ねると、いつの間にか費用が膨らみます。
近年の標準仕様は性能もデザインも優れており、十分満足できる内容になっているので、まずは標準で検討し、本当に必要な箇所だけオプションを取り入れるのが賢い選択です。
⑦トイレや洗面などは最低限の数にする
水回り設備を複数設けると、工事費や維持費が増加します。
生活動線を考慮し、必要な数を見極めて設置することが重要です。
特に2階のトイレなどは生活スタイルによって不要な場合もあるので、このようなところから見直しを行いましょう。
⑧後付け可能な設備・造作は後回しにする
棚や照明、収納などは、住んでから必要性を判断して後から追加するのも一つの手です。
後付けが可能な部分は初期費用を抑えるために後回しにし、暮らしに合わせて少しずつ整えていく方法が無駄のない家づくりに繋がります。
⑨外構は専門業者の相見積もりで最安を探す
外構工事はハウスメーカー任せにすると高額になりがちです。
専門業者に複数の見積もりを依頼し、価格と提案を比較することで、コストを抑えつつ満足度の高い仕上がりを目指せます。
少しの手間が大きな節約に繋がります。
⑩DIYや施主支給を活用する
照明や棚など、自分で取り付けられるパーツはDIYや施主支給で対応すると、施工費を節約できます。
ネットやホームセンターを活用すれば、価格を抑えつつ好みのデザインも選べます。
無理のない範囲での工夫が家計を助けます。
新築予算オーバーでも削らないほうがいいところ

予算オーバーを避けようとすると、つい「あれも削れるかも」と考えてしまいがちです。
しかし、すべての費用を減らせばいいわけではありません。
中には削ることで将来的に大きな出費や後悔につながる重要な部分もあります。
ここでは、「ここだけは妥協しないほうがいい」という3つのポイントをご紹介します。
安心・安全で長く快適に暮らすための判断基準として、ぜひ参考にしてください。
①断熱・気密性能は妥協しない
断熱・気密性能は、家の快適さ・健康・光熱費に大きく影響します。
初期費用を抑えたつもりでも、長期的には損をするケースも。
削らない理由
・断熱性が低いと、夏は暑く冬は寒くなり光熱費が増える
・室温差によってヒートショックのリスクが高まる
・月々の光熱費が約3,000円安くなった事例もあり(10年で36万円の節約)
初期費用ではなく「ランニングコスト」で比較することも忘れないようにしましょう。
②構造躯体や耐震性能は削らない
日本のように地震が多い国では、家の構造や耐震性能は命を守るための要です。
削らない理由
・耐震性を妥協すると、災害時に命や財産を守れない可能性がある
・耐震等級が高い住宅は地震保険料が安くなるメリットもある
家族の安全を第一に考え、構造性能にはしっかり投資をすることを強くお勧めします。
③メンテナンス性の高い素材を選ぶ
一時的なコストダウンを優先してしまうと、将来的な修繕費が大きな負担になります。
削らない理由
・安価な外壁・屋根材は劣化が早く、10年以内に補修費がかかることも
・定期的な塗装や補修で数十万円の出費が繰り返される
・耐久性の高い素材(例:ガルバリウム鋼板・タイル外壁)は長期的にコストを抑えられる
素材選びは、見た目や初期費用だけでなく「何年使い続けられるか」まで視野に入れることが重要です。
まとめ|削るべきポイントを見極めて理想の家を手に入れよう

新築注文住宅で予算オーバーを防ぐには、ただコストを削るのではなく、「どこを削るか」「どこは守るか」の判断がとても大切です。
大事なのは、必要な部分にはしっかり投資しつつ、優先順位をつけてバランスよく調整すること。
そうすることで、限られた予算内でも、満足のいく家づくりは十分に実現できます。

予算内で建てたいけど、何を削ればいいか決められない‥
と悩んでいる方は、専門家の意見を取り入れるのもひとつの方法です。
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