毎月の明細を見て「また上がった……」と、止まらない光熱費の高騰にお悩みではありませんか?

こまめにスイッチを切ったり、エアコンを我慢したり……。節約に必死だけど、正直もう疲れちゃった。

こうした努力と根性による節約は、精神的な負担(節電疲れ)が大きく、なかなか長続きしないものです。しかし、最新テクノロジーを味方につければ、我慢することなく「賢く・自動で」快適さと節約を両立する暮らしが手に入ります。

その鍵を握るのが、次世代住宅エネルギーの司令塔「HEMS(ヘムス)」です。

本記事では、住宅設備のプロの視点から、家計を劇的に変えるHEMSの仕組みと、2026年最新の導入メリットを分かりやすく解説します。最後まで読めば、ストレスフリーに電気代を抑えるための具体的な一歩が見えてくるはずです。

便利で快適な生活を目指していきましょう!

HEMS | 家庭内のエネルギー利用状況を一括管理し、最適化

HEMSとは、家庭内のエネルギー利用状況を一括管理し、最適化するためのシステムの総称です。
一言でいえば、家の中の電気利用を差配する「司令塔」のような役割を果たします。

HEMSには、「使用電力量の見える化」と「機器の最適制御」という二大要素があり、これらが組み合わさることで、住宅全体のエネルギー効率を最大化させることが可能になります。

HEMS の二大要素

【使用電力量の見える化】
どれだけのエネルギーをいつ・どこで・何に使用しているか、目で見て確認できること
【機器の最適制御】
家中の機器を一括してコントロールしたり、自動的にエネルギー使用量を最適化すること

従来の節電は、住人がモニターを見て自発的にスイッチを切る必要がありましたが、HEMSはAIが居住者のライフスタイルに合わせて自動でコントロールしてくれる点が画期的。

「どこで」「いつ」「どのくらい」電気が使われているかをリアルタイムにグラフで可視化するだけでなく、無駄な電力消費をAIが検知し、住人の代わりに家電の出力を調整します。

誰もいない部屋のエアコン設定は自動で緩めてくれるの、すごく助かる!

近年注目される「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」、つまり年間のエネルギー収支を実質ゼロ以下にする省エネ住宅。政府は2030年までに全ての住まいにHEMSを設置することを目指しています。

※平成24年「グリーン政策大綱」(内閣官房 国家戦略室)より

HEMSの仕組み | どうやってエネルギーを管理するのか

HEMSは、家中の様々な機器がネットワークを介して相互に情報をやり取り(通信)することで機能しています。

具体的には、以下の3つのステップで家中のエネルギーを最適化しています。

① 電力の使用状況を見える化
まず、電力会社の「スマートメーター」や家庭内の「スマート分電盤」から、家全体の電力使用データをリアルタイムで集計します。「どこで、いつ、どれだけ使ったか」を正確に把握します。
② 使用状況の分析と判断
中心となる「HEMSコントローラー」がインターネット経由で外部の気象情報を取り込んだり、家の中の各家電の状態を把握して、最適な運転モードを各機器へ指示します。
③ 各家電機器への指示(自動制御)
「HEMSコントローラー」から各家電へ指示を送ります。日本独自の共通通信規格「ECHONET Lite(エコーネットライト)」に対応した製品であればメーカーが異なる機器同士でも連携が可能です。

なお、現在、経済産業省は家庭内で特にエネルギー消費が大きいものを「重点8機器」と定め、家全体の省エネ効果を最大化するためにも、これらとの連携を強く推奨しています。

重点8機器

・エアコン
・照明
・給湯器
・太陽光発電
・蓄電池
・燃料電池
・電気自動車用充電器
・スマートメーター

HEMSを導入する4つの大きなメリット

HEMSは単なる「電気の使用量を見るためのモニター」ではありません。

導入によって、経済的なメリットから生活の質の向上まで、多角的な価値を住まいにもたらします。

ここでは、特に重要な4つのメリットを詳しく解説します。

①「自動」で効率的に光熱費を削減

HEMSの最大の魅力は、AIによる自動制御で光熱費を最小化できる点にあります。

これまでは少しでも節電するために「人間側の努力」が必要でしたが、HEMSは天気予報や電力単価をリアルタイムで分析し、自動で制御してくれます。

例えば、翌日の天気予報が晴れであれば、夜間の蓄電池への充電を最小限に抑え、翌朝の太陽光発電でフル充電するといった高度な制御を行います。

実際、HEMSを導入して太陽光発電を活用している家庭では、自家消費率が平均58.1%に達するというデータがあります。これは、一般的なZEH基準の約30%を大幅に上回る数値です。

※太陽光発電で電気代激減!ZEH超え自家消費率60%の秘訣とは

電気の買取価格が下がり、購入単価が上昇している現在、発電した電気をいかに「買わずに自分たちで使うか」が家計防衛の鍵となります。

HEMSはこの「自家消費」を最も賢い形で自動化してくれるため、手間を一切かけずに電気代の削減を実現できるのです。

② 利便性と快適性の向上

HEMSを導入することで、家の中の家電を一括でスマホから操作できるようになり、生活の利便性が劇的に向上します。

例えば

・外出先から帰宅15分前にエアコンを遠隔起動させる
・最寄り駅に到着したタイミングでお風呂の自動お湯張りを開始させる
etc

さらに、照度センサーや人感センサーと連動させることで、天候や時間帯に合わせて照明の明るさを自動調整することもできます。

単に操作が簡単になるだけでなく、「消し忘れ」のストレスからも解放されますね!

外出先で「アイロンを切り忘れたかも」「照明をつけたままかも」と不安になっても、スマホアプリ一つですべての状況を確認し、その場でオフにできる安心感は、現代の忙しい共働き世帯などにとって非常に大きなメリットとなります。

③ 災害や停電時の安心感

近年、地震や台風による停電への備え(防災)の観点からもHEMSを導入するケースが増えています。

太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、災害時に電気の自給自足が可能。また、蓄電池を導入することで、停電時のバックアップ電源として活用できます!

HEMSがない場合、蓄電池の残量を把握できずに使い切ってしまう恐れがありますが、HEMSがあればスマホでリアルタイムに残量を確認し、電気をどこに配分するかを賢く制御できます。

また、HEMSはあらかじめ設定した「ライフライン優先モード」などに切り替えることで、冷蔵庫やスマートフォンの充電、リビングの照明といった最低限必要な電気を優先的に供給し、エアコンなどの高負荷な機器を自動で制限します。

非常時であっても「あと何時間電気が使えるか」が可視化されるため、家族の心理的な不安を大きく和らげることができます。

④ 防犯と見守り機能の活用

HEMSはエネルギー管理だけでなく、家族の安全を見守る機能としても活躍。

例えば、離れて暮らす高齢の両親の自宅にHEMSを設置すれば、プライバシーを過度に侵害するネットワークカメラを使わずに、電気の使用状況から安否を確認できます。

朝に「電気ケトルを使った電力反応」があれば元気に活動していることが分かり、逆に一定時間全く変化がなければ異変を察知して通知を受け取ることができます。

防犯面でも、外出先から玄関ドアの施錠状態を一目で確認できるほか、万が一の閉め忘れには遠隔でロックをかけることも可能です。

また、夜間のみ不定期に照明を点灯させることで「留守であることを悟らせない」といった空き巣対策にも応用できます。

エネルギーのデータを通じて、住人の「気配」をポジティブに活用することで、従来の防犯設備以上にスマートでさりげない安心感を提供できるのがHEMSならではの特徴です。

気になる導入費用と回収の目安

導入を検討する上で最も気になるのがコストですが、HEMSには大きく分けて「設置工事型」「工事不要型」の2パターンのアプローチがあります。

項目設置工事型工事不要型
機器本体代約5〜15万円約4.5万円〜
設置工事費約5〜15万円0円(設置のみ)
合計目安約15〜35万円約4.5〜5万円
主な特徴全回路の計測など多機能手軽で賃貸でも導入可

「設置工事型」は、新築時や大規模リフォーム時にスマート分電盤とセットで導入する本格的なタイプで、機器代と工事費を合わせて約15〜35万円が相場です。

全回路の計測が可能で、AI制御の精度が非常に高いのが特徴です。

一方、既存の住宅でも手軽に導入できるのが「工事不要型」はスマートメーターに直接通信する小型のドングル(接続端子)を設置するタイプで、費用は約4.5〜5万円程度に抑えられます。

設置もコンセントに挿すだけと非常に簡単です。

投資回収のシミュレーション

投資回収の試算としては、HEMS導入による一般的な節電効果(約6〜10%)をベースに考えると、戸建て住宅で年間3〜6万円の削減が見込めます。

「工事不要型」であれば1〜2年、「設置工事型」であっても後述する補助金を活用すれば4〜6年程度で初期費用の元を取ることが十分に可能です。

現在の電気料金の変動を考えると、早期導入ほど「電気を賢く使う仕組み」によるメリットは大きくなります。

2026年現在、国や自治体は脱炭素社会の実現に向けてHEMSの導入を強力に支援しており、複数の補助金制度が用意されています。

詳細はこちらの記事でご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

導入で失敗しないための注意点

導入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、以下の3つの注意点を必ず押さえておきましょう。

  • 家電の「互換性」の確認
    十数年以上前の古い家電や、あまりに安価な単機能製品の場合、通信規格「ECHONET Lite」に対応していないことがあります。対応していない家電はHEMSから操作や見える化ができず、単なる「電力測定」に留まってしまいます。

今後家電を買い替える際は、必ずカタログでECHONET Lite対応の有無を確認してください。

  • 電力会社への「Bルートサービス」の申し込み
    スマートメーターからHEMSへデータを送るためには、この専用回線を開くためのIDとパスワードが必要です。

申し込んでから発行までに1〜2週間かかることが多いため、機器が届く前に手続きを済ませておきましょう。

  • セキュリティ設定
    HEMSは家庭内のWi-Fiに接続するため、パスワードを初期設定のままにせず、推測されにくい複雑なものに変更して管理することが不可欠です。

住宅のエネルギーデータや施錠情報を守るための必須条件となります。

まとめ | HEMSで「家計に優しく、快適な」未来の暮らしへ

HEMSはもはや単なる節電ツールではなく、住まいの利便性と安心感を底上げする「住宅の基本システム」としての役割を担っています。

電気代が高騰し続ける現在の環境において、AIにエネルギー管理を任せることは、最も合理的で継続可能な家計防衛策といえるでしょう。

これからは「HEMS」のようなテクノロジーを賢く使い、無意識のうちに省エネが実現され、浮いたお金と時間でより豊かな暮らしを送る。それが未来の住まい(スマートホーム)のあり方です。

導入にあたっては、自分の家の状況に「設置工事型」と「工事不要型」のどちらになるか、また活用できる補助金がどれくらいあるかを、まずはハウスメーカーや工務店、専門業者へ相談することから始めてみてください。

あなたの家が、より快適で家計に優しい空間へと生まれ変わる第一歩となるはずです。

  

最後までお読みいただきありがとうございました。

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